神力寺

鬼子母神2016.1.10

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鬼子母神(きしもじん)

                                        神力寺 亀山環舜

平成27年未年がおわり平成28年申年を迎えました。
申年に縁起が良いとされているのは「赤いパンツ」日本各地で伝わっていることで一説によると申年の「サル」にかけて「病が去る(サル)」など語呂が良いことことや、また「赤」は病気を防ぐ厄除けの言い伝えがあるので、赤い肌着が良いとされているそうです。新たな年を新たな気持ちで、縁起がよい赤い肌着で迎えてみてはいかがでしょうか。

本年の幸運を願って今年も1月17日(日)に「開運星祭り新春大祈祷会」を執り行います。神力寺では多くの神様をお祀りしております。その中でも主に祈願をするところの神様は『鬼子母神さま』です。

関東の方では「畏れ入谷の鬼子母神」として鬼子母神さまは安産・子育(こやす)の神様として広く信仰されています。

その昔、鬼子母神さまはインドで訶梨帝母(かりていも)とよばれ、王舎城(おうしゃじょう)の夜叉神の娘で、結婚をして多くの子供を産みました。しかしその性質は暴虐この上なく、近隣の幼児をとって食べるので、人々から恐れ憎まれました。

お釈迦様は、その過ちから帝母を救うことを考えられ、その末の子を隠してしまいました。その時の帝母の嘆き悲しむ様は限りなく、お釈迦様は、

「千人のうちの一子を失うもかくの如し。いわんや人の一子を食らうとき、その父母の嘆きやいかん」

と戒めました。

そこで帝母ははじめて今までの過ちを悟り、お釈迦様に帰依し、その後安産・子育の神となることを誓い、人々に尊崇されるようになったとされています。

また日蓮聖人は御書のなかで

「十羅刹女(じゅうらせつにょ)と申すは十人の大鬼神女(だいきじんにょ)、四天下(してんげ)の一切の鬼神の母なり。また十羅刹女の母なり、鬼子母神これなり」

と述べられ鬼子母神を重視されています。

もともと鬼子母神信仰は平安朝の昔から一般的な信仰としてありましたが、法華信仰に生きる者、日蓮宗に属する者にとって、鬼子母神はただ単に子供を守る神であるばかりでなく、信者・宗徒の外護神(げごしん)として崇められています。

当山神力寺では『子安(こやす)鬼子母神』と『鬼形鬼子母神』の2体が勧請されています。『子安鬼子母神』は子供を抱え優しげな顔をしている鬼子母神様で開創当時から勧請され三五〇年余りお寺と信徒をご加護頂いております。

また鬼の顔をした『鬼形(きぎよう)鬼子母神』は二十一世横山泰城上人が日蓮宗の大荒行堂に壱百日修行に入られた際に勧請したもので、横山上人が二百日、私もこの鬼子母神様と共に壱百日修行をさせて頂きました参百日のお経が沢山入った鬼子母神様です。

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   鬼形鬼子母神      子安鬼子母神

どちらも有り難い鬼子母神様ですのできっと私たちの一番良い形でご加護頂けるものと思います。厄除け、家内安全、身体健全など様々な祈願にお答えできます。

 鬼子母神様はあなたの心からの願いに応えてくれますよ!

                   南無妙法蓮華経

(神力寺便り53号抜粋 平成28年1月1日発行)